6月8日に通知されました職域接種の要件をクリアーするのは非常に難しく、困難なケースが多いのではないかと思います。

当院が企業の接種率を上げる事に対してご協力できるのは、職域接種ではなく個別接種(それぞれの医療機関での接種は個別接種と呼ばれています)の枠組みで集団接種を行うことかと思います。福岡市内の住民には6月30日に接種券の配布が始まり、年齢別に7月終わりまでには16歳以上の全住民が接種の予約が行えるようになる方向です。
https://medkyu.com/2021/01/covid19-vaccine/

市で決められた年齢別や基礎疾患ありの優先者の要件を満たす限りにおいては、企業職員の集団接種を当院にて土曜日午後や時間外に行うことにより、ご協力できる可能性があります。

当院で現在個別接種の集団接種としてご協力可能な施行要領は以下の通りです。

当院で行う個別接種における集団接種の要件
接種場所 当院(もしくは100名以上の会社に対しては出張接種を考慮)
 アナフィラキシーなどアレルギー反応に対する迅速な対応が可能であり、ワクチンの保管、調整、輸送体制が整っている当院で接種したいと思っています。
 今後100人以上の会社に対する出張接種につきましては計画していきたいところですが、安全対策や会社へのワクチン輸送体制が確立できるかを調整するまでは保留としたいです。

接種時間 土曜日午後
 当院を接種場所とする予防接種は、保険診療患者さんがおられない時間外(土曜日午後)と考えています。

接種ワクチン 現在のところファイザー製
 企業でご準備される職域接種で使用するワクチンはモデルナ製と公表されていますが、個別接種は現在のところファイザー製を使用しています。今後の国の方針次第で変更になる可能性はあります。

接種前後の手続き 当院にて
 集団接種におきましては市のシステムに登録するための事務作業を一部手伝って頂く可能性があります。


 「産業医をさせて頂いている会社」や「当院の近くの会社」、「当院に健康診断を依頼されている会社」につきましては当院として可能な限りは積極的に職域接種にもご協力させて頂きたいと考えています。(既に仮予約を受けました会社様におきましても勿論ご協力させて頂きます。)

 日本では毎年10月~12月はじめまでの約2ヶ月間に約6000万人に対して、日常臨床の合間でインフルエンザのワクチン接種を行っています。
諸外国と比べてワクチン接種の開始が大幅に遅れたため現在のところ接種率は低いですが、ようやく福岡でも5月24日より集団接種に加えてそれぞれの医療機関での接種が始まりました。今後は、現状の接種体制でも順調に接種は進むと予想しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000704142.pdf
 福岡市の16~65歳の方につきましては、6月30日により接種券を配布する予定が決定いたしました。接種券到着後には年齢別に順次予約・接種が開始となります。詳細は下記ページをご参考下さい。
https://medkyu.com/2021/01/covid19-vaccine/

 このような背景において、今回の職域接種は、現在予防接種の対象となっていない方に対して、1~2ヶ月ほど接種が前倒しが出来る可能性のある政策と理解しています。

 一方、職域接種では1日で1000人程度のまとまった施行が推奨されていますが、なかなかその条件をクリアーするのは困難かと思います。また、同じ日に多くの割合の職員を接種すると、翌日や翌々日に発熱等の副次作用により会社の運営に関わる事態についても想定が必要です。

 当院では、これまで通り、当院のかかりつけ患者さんに対する診療を最大限大切にしながら、現在当院でも開始している個別接種を中心に予防接種を頑張っていくつもりです。一方で、出来る限り地域の会社や住民、産業医としていつもお世話になっている会社の職員さんのために、職域接種にご協力したいと思っています。

 これからも何卒よろしくお願い申し上げます。