CPAPを含めた陽圧呼吸はどの様なメカニズムで血行動態へ影響を及ぼすか?
臨床データーの解析とコンピューターシミュレーションによる
Sleep medicineに論文としてアクセプト頂きました。
以前、我々は慢性心不全患者にCPAPを行うと再入院率が下がることを示しました(Int J Cardiol 2017;238:173-176)。
そして、ASVはCPAPよりも心拍出量(CO)を増加させたが、ASVもCPAPもCOが上昇した症例もあれば、低下した症例もある事が分かりました(J Card Fail 2012;18:912-8)。しかしながら、その理論的背景は過去の文献からも十分に考察出来ませんでした。
今回の論文(Sleep Medicine 2024;113:25-33)では
まず、臨床データーにて、CPAPでCOが増加した症例では、減少した症例と比較して、有意にPVRが減少していたことが分かりました。
次に、CPAPによる血行動態の変化をコンピューターシミュレーションを用いて理論的に説明し、PV loopを用いて表現しました。
その結果、①transmural pressureはどの様な症例においてもCOを減らす、②NPPVによりCOが増えるという現象は、PVR低下でしか説明出来ないことが分かりました。更に左・右心機能やstressed volumeがそれらに及ぼす影響の大きさを明らかにしました。
1月まで無料でダウンロード出来ますので是非ご笑覧下さい。
https://authors.elsevier.com/a/1i6Eh4y2Nr4wMI