コロナウイルスのうちの4種類は普通の風邪の原因の10-15%を占めるウイルスです。一方、2種類のMERS、SARSは重症化リスクがあります。今回報道されている新型コロナウイルスは、既知のこれらの6種類以外に新たに発見されたコロナウイルスです。
感染力は、初期の中国での報告によると基本再生算数(R0)は約2.2程度と季節性インフルエンザ並ではないかと言われています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001316
死亡率は、2020年2月20日付の WHO の報告によると、中国の確定患者数74,675人に対し、死亡者数 2,121 人(致死率 2.8%)です。一方、中国以外の国と地域の確定患者数は1,073 人に対し、死亡者数 8 人(同 0.7%)です。死亡率が高いか低いかの評価は、まだ情報が不十分で評価困難といえるでしょう。
WHO: Coronavirus disease 2019 (COVID-19) situation report-31
現在は、科学的に有用と証明されている治療法はなく、対症療法のみです。
一部の抗HIV薬(ロピナビル・リトナビル)や抗インフルエンザ薬(ファビピラビル)の有用性が期待されているところです(勿論まだ使用できません)。
1.新型コロナウイルスの検査は「都道府県が必要と判断した場合に」無料で行えます。医院や病院では行えません。
新型コロナウイルス検査対象者
- 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)。
- 強いだるさ(倦怠けんたい感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
- 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合
電話相談窓口
- 厚生労働省の電話相談窓口 0120-565653
- 福岡市 092-711-4126
- 博多保健所 092-419-1091
2.新型コロナウイルス感染を避けるためには
新型コロナウイルス感染症は、現時点では、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。
- 感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫による「飛沫感染」
- ウイルスに触れた手で口や鼻を触ることによる「接触感染」
感染予防のためには以下のことを心がけましょう。
- 石鹸やアルコール消毒液などによる手洗い
- 正しいマスクの着用を含む咳エチケット
- 高齢者や持病のある方は公共交通機関や人込みを避ける
また、コロナウイルスの感染の疑いのある患者と接した場合は「手などの皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00004.html#Q8
3.新型コロナウイルスが心配なときにすること
発熱などの風邪の症状があるときは、学校や会社を休むなど、外出を控えてください。
毎日体温を測定して記録しましょう。
感染したかも?と思ったら、最寄りの保健所等にある「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談しましょう。
- 風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続く
- 強いだるさや息苦しさがある
- 重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある方に加えて、念のため妊婦さんは、こうした状態が2日程度続いたら相談しましょう。
感染の疑いがある場合には、保健所が必要に応じて、新型コロナウイルス感染症患者の診察ができる「帰国者・接触者外来」を受診できるよう調整します。
受診するときは、マスクを着用し、手洗いや咳エチケットを徹底してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00017.html
4.感染を防ぐためには
家庭内で感染が疑われた場合の注意(厚労省)
- 感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
- 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
- できるだけ全員がマスクを使用する
- 小まめにうがい・手洗いをする
- 日中はできるだけ換気をする。
- 取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
- 汚れたリネン、衣服を洗濯する
- ゴミは密閉して捨てる
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html