高脂血症・高コレステロール血症とはどんな病気?

高脂血症と診断された方には、悪玉コレステロール(LDL)が高い方と中性脂肪(TG)が高い方がおられます。
長年、高脂血症を放っておくと、動脈硬化がすすみます。その結果、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなります。

高脂血症・高コレステロール血症で受診されると?

高脂血症になる原因がないかの検査をしたり、動脈硬化による症状がある場合は精密検査をいたり、当院常勤の管理栄養士と食事のお話をしたりします。そして、必要がある場合にはまずはスタチンによる治療を開始します。

高脂血症・高コレステロール血症の治療の目標値は?

病状により目標値が違います。当院ではガイドラインに従って患者様と一緒にスコアをつけ、きちんとしたコントロールを心がけています。当院常勤の管理栄養士さんと食事の管理をしていきながら、最も効果が証明されているスタチンという種類の内服薬を主体としてコントロールしていくことが大切です。

・吹田スコアで冠動脈疾患リスクを計算しリスク群を評価する。
・ただし、HDL-C 40mg/dL未満や、男性55歳未満、女性65歳未満での1度近親者の冠動脈疾患家族歴、耐糖尿異常を認める場合はリスクカテゴリーを1つ上げる。

注意していただきたいこと

高血圧糖尿病なども脳梗塞や心筋梗塞の危険因子です。これらの病気を合併している場合は、その治療も同時に行いましょう。
血縁者にコレステロール値が高い人や心臓病の人がいたらお伝えてください。
スタチンという治療薬では、頻度は極めて低いですが、横紋筋融解症が起こることがあります。筋肉痛、褐色の尿などが出た場合は主治医に伝えてください。
薬を飲み忘れた場合、次の日にまとめて2日分飲むのはやめてください。
食物繊維の豊富な食品を多く摂取しましょう。
適度な運動を心がけましょう。
適正体重を維持しましょう。
卵黄などコレステロールの多いものをとりすぎないようにしましょう。
喫煙はやめましょう。
肉の脂身など動物性脂肪はできる限り控えましょう。

参考資料

ガイドライン:動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド 2018年
(残念ながら無料公開されていません。下記より購入可能です。)
http://www.j-athero.org/publications/index.html
吹田スコア
http://www.j-athero.org/publications/gl2017_app.html
国立循環器病センター 高脂血症について
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph37.html